🚒 勉強も、容姿も、ミツルとユリコにかなうわけはありません。 ユリコの美貌というのはその辺の女性の美しさとは比較にならないくらいで、ユリコに会った人は「こんなに美しい女性のお姉さんも、さぞ美しいだろう」という考えで普通かそれ以下の「わたし」を見て、どう反応していいのかわからないというふうな顔を必ずするのです。
16😁 はしがきにもありますが、全体を通して大きな罠が仕掛けられているのです。 よい大学を出てよい企業に入り、男と同等の待遇で働き生きる。
9⚛ 登場人物、全員悪人とまさに北野武監督の映画「アウトレイジ」のような状態なのだが、あの映画は全員やくざだからそれでいいのだが、ここの登場人物はみんなどぶ川の沈殿物のようだ。 「わたし」は現在、区役所でアルバイトとして働いています。
2😔 誰もが羨む大手企業に入ったもののやはりそこは男社会で、正当に評価されない自分に鬱々とした挙句、和恵は孤立し自堕落になって徐々に自分を見失って行きます。 最初は路上で客をとるなんて……と思っていた彼女は、どんどんその状況に慣れていきます。 ユリコは根っからの男好きである、汚らわしいと。
🙏 しかし言葉では「人間性が大事」という綺麗事を語っていても、自分に何の利益をもたらさない存在の承認欲求を満たしてくれるほど、他人は優しくも甘くもない。
19🙏 ドラマ化された作品も多く既視感を覚えることもありますが、それでもスッと物語に入り込める点は素晴らしいの一言。 一流の建設会社に入り、女性管理職としてバリバリ働いているハズの彼女が、なぜ夜は娼婦をやっていたのか? 『わたし』は犯人の裁判を傍聴し、妹の日記を読み、ある縁で手元に来た和恵の売春日記も読みます。 ミツルは「わたし」の口調によって、上巻でかなり 美化された人物像として想像されますが、後半ミツルが出てきたときに 思っていた人物像と全く違っていて、驚きとか、落胆に近いものを覚えます。
☭ そんな気持ちから「読書の魅力」を 少しでも届けるべく本にまとめました。 百合雄。 他者からの評価に自分の価値を見出そうとする限り、結局は地獄を生きていることになるのかもしれない。
10