📲 かたはらいたきことなれば、まほにもえのた まはで、 源氏 「いかならむ世に、人づてならで聞こえさせむ」 とて、泣いたまふさまぞ心苦しき。 御盃のついでに、 いときなき初元結に長き世をちぎる心はむすびこめつや 御心ばへありておどろかさせ給ふ。
8✌ ただ貴く思ひ侍ればかやうに仕るなり• かかること口馴れ たまひにけりな。
🤜 上のいつしかとゆかしげ P326 に思しめしたること限りなし。 いと淸らなる御髮 (おんぐし) をそぐ程、心苦しげなるを、うへは、御息所の見ましかばとおぼしいづるに、堪へがたきを、心張く念じかへさせ給ふ。
9☭ けざやかにももてなしたまふかなとやすからず思へど、 しづめて、おほかたの御物語聞こえたまふほどに、兵部卿 宮参りたまへり。 すべて近うさぶらふかぎりは、男女 (をとこをんな) 、「いとわりなきわざかな」と、いひあはせつつ歎く。 この由申せ• 祖師義行・先師忠守の説をうけ、 旧 説を渉猟して集大成。
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