🚒 イーストウッドは、本作を通じて現代社会へと、ハッキリと警鐘を鳴らしています。 一見シンプルなテーマを持ち、ひょっとすると類いまれな感動と落涙にすらいざなわれてしまいもするこの映画に、人はするどく不審な点を嗅ぎつけ、堂々巡りの問いへと誘い込まれていく。
6🎇 ジュエルはかつての職場で知り合った弁護士ワトソン・ブライアントを呼び出し、彼と共にこの理不尽な状況と対峙していくことになる。 さて、本作を観ていると、分からない人には分からないリチャードの行動が執拗に描かれる。 自宅前に大勢の報道陣が24時間張り込んで、彼と彼の母親(キャシー・ベイツ)の生活は破壊された。
✆ それに「何も喋るな」と何度注意しても、リチャードの権力に対する意識は変わらず、リチャードに対してもイライラが募ります。
✇ 当初は他の監督であれこれと進んでいたものが(レオナルド・ディカプリオとジョナ・ヒルの共演を予定していたそうで)、企画を持っていた20世紀フォックスがディズニーに買収され、企画はワーナー・ブラザースが買い取ります。 劇中で登場する女性ジャーナリストのキャシー・スクラッグスが枕営業で情報を引き出す描写があり、その露骨さが物議を醸していたのだ。
3🤲 それを「プロファイリングに一致する」って、FBIの強引さや新聞社。 どうか大統領、息子に名誉を取り戻させてください」と涙ながらに訴えました(この記者会見の後ろの方でキャシーが涙ぐんでいました。
😊 「どうしてわかった? そのキャシーのスクープ記事により、リチャードの人生は転落を始めます。 「彼らの人生をめちゃくちゃにしたんだぞ」とキャシーにも食ってかかります(この記者、ここで少し目が覚め、今さらですが真実を探ろうとしてみます)。 それを現地の新聞社とテレビ局が実名報道したことで、ジュエルを取り巻く状況は一転。
😃 リチャードの通報のお陰で、多くの人たちが爆発前に避難できたが、それでも2人の死者と100人以上の負傷者を出す大惨事となった(避難の最中に心臓発作で亡くなった人間も出た)。 そして、その「認められたい」が絡む分岐において、欲望が満たされる選択肢をうっかり選んでしまうのです。 テレビの報道で成り行きを知っていたワトソンは、彼を守ることを決めます。
✊ 自分達は「信頼できる情報筋から聞いたから」といえばお咎めなしだからだ。 この件については、 クリント・イーストウッド監督も言及しており、「 キャシーはこの事件以前にも警察と密であったり、酒をたくさん飲み、ヘビースモーカーであった」と述べたうえで、事実が不明確な部分は映画として脚色を入れていると述べています。
8😈 イーストウッドの語り口も実際、基本的にリチャード視点で進むので、観客の多くは自分がこんな状況に追い込まれたらと想像して恐ろしくなるはず。 (宇多丸)もう免許返納した方がいいんじゃないか?っていう。 法執行機関を夢見る、いわば愛国心に溢れたリチャードが、 自分の目指す先にいる法執行機関の醜さを直視し、それを乗り越えた信念の進化を見せる。
8